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病気腎移植を冷静に語るコミュの病気腎移植について

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コメント(32)

病気腎移植って実際どうなんでしょう?
仮に現在は上手くいっているとしても、将来的な問題が発生した場合に、どうなるのでしょうか?
一口に病腎移植といっても、ドナーのもつ疾患として、腎細胞癌を初めとした悪性疾患、腎動脈瘤や腎血管筋脂肪腫などの器質性良性疾患、ウイルス性肝炎や腎膿瘍の感染などがありますので、それぞれについて検討すべきだと思います。一般論としては、全くの健康なドナーからしか移植を認めないのは現実的ではありません。たとえば、親族間移植において、ドナー候補の腎蔵に小さな良性腫瘍があったからといって、移植中止にする必要はありません。一方、悪性疾患や感染をまったく気にせずにどんどん移植OKというのもダメです。どこかに線を引いて、線上の微妙な症例については個々の医師の裁量にまかせるというのが現実的なところでしょう。
なとろむさん

それではどのようにわけてトピを立てたらよいと思われますか?
将来的には個々の症例について、病腎移植が妥当かどうかディスカッションができれば面白いと思うのですが。たとえば、親族間移植のためドナーを精査したところ、小さな腎細胞癌が見つかった場合の移植の是非など。私は、きちんとインフォームドコンセントをとり、部分切除した上で移植に使用するのは問題ないと考えます。「悪性疾患(癌)からの移植は絶対禁忌である」という主張に対抗するのなら(そういう主張をしている人がいたとして)、こうした話からはじめるべきです。

でもまあ、とりあえずは人集めでしょうねえ。閑散としているのは良くないので、ネタがあったら書き込みます。最初は雑談でいいんです。今日は暑いねえとか、松山市でうどん食ったとか。
OKです。そうですね。まずは人集めですね(笑)。
管理人なので、あまり書き込まないほうがいいかと思っていたのですが、中立的にならば問題ないでしょうし。
私もなにかしら病気腎移植に関するネタがあれば書き込みます。
さっそくネタを。はてなダイアリーで書こうと思いつつ、うまくまとまらなかったネタです。

広島大学の難波先生が「がんは伝染病ではない。遺伝子病だ。だから、仮にがんそのものを他人に移植しても移植は成功しない」と主張されていますが、小腎細胞癌には当てはまっても、その他のがんに当てはまるとは限りません。症例報告ですが、移植の後にドナーが悪性リンパ腫だと判明した症例について、印象深いので紹介します。難波先生の主張への反論にはなりますが、病腎移植の是非とは直接は無関係です(こういう例があるから病腎移植が悪いとは言えない。ただ、少なくとも悪性リンパ腫からの病腎移植は避けたほうが無難)。論文を要約していますが、[ ]内に、私の私見を入れています。


Harbell JW et.al., Transmission of anaplastic large cell lymphoma via organ donation after cardiac death., Am J Transplant. 2008 Jan;8(1):238-44. Epub 2007 Nov 12.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18021286


報告はニューヨーク大学メディカルセンター他より。ドナーは15歳の少年。嘔吐、嘔気、項部硬直を主訴として入院し、さらに発熱・皮疹・神経症状が出現しました。頭部CTでは大きな異常なし、髄液検査で低ブドウ糖、蛋白質の増加、リンパ球優位の細胞増加を認めました。細菌培養は陰性。[ 髄膜炎の所見です。細菌性髄膜炎もウイルス性髄膜炎もどちらも可能性があります。 ]抗生剤と抗ウイルス薬の投与を受けましたが、症状は進行し患者は死亡しました。家族は心臓死後の臓器提供を承諾しました。[ 細菌性髄膜炎がドナー候補になりうることを私は知りませんでした。西ナイル熱は駄目らしいです。 ] 肝臓、膵臓、腎臓がそれぞれ移植に使われました。腎臓は2つあるので、レシピエントは4人です。[ 心臓死から肝移植がなされていますが、日本では脳死か生体移植のみ。 ]移植手術が行われた約1ヶ月後に、ドナーからの脳生検の結果が返ってきました。[ 正確には生検ではなくて死体からの組織採取"necropsy"だと思います。 ]結果は悪性リンパ腫(anaplastic large cell lymphoma)でした。[ ぶっちゃけ誤診です。誤診は日本じゃ犯罪扱いですが、誤診をゼロにすることは不可能です。誤診した経験を共有して、少しでも誤診を減らす努力が必要です。でも、今の日本じゃ、こんなの論文にできないでしょうね。 ]

腎臓のレシピエント1: 46歳男性。移植手術自体は合併症なし。移植の1ヵ月後に、「実は悪性リンパ腫だった」という情報が届きました。CTやMRIや血液検査を行うも、CTにて移植腎が"heterogeneous"([ 和訳は難しいですが、強いて言えば「ムラがある」。 ])であること以外は異常なし。リンパ腫の移入の明確な証拠はなかったけれども、移植後45日目に腎摘術を施行されました。[ 腎臓は取ってしまっても透析があります。移入の可能性が否定できなければ摘出するという判断だったのでしょう。] 摘出腎にはリンパ腫からくる結節を認めました。見てわかるぐらいの。追加の治療として、CHOP(リンパ腫に対する化学療法)を受けました。移植手術を受けて160日後も生存中です。

腎臓のレシピエント2: 64歳男性。やはり諸検査でリンパ腫の移入の所見なし。レシピエントは腎摘出に気が進まなかったのですが、レシピエント1の情報[ つまり「画像等の諸検査でリンパ腫の所見がなくても、お腹を開けて腎臓を取ってみたらボコボコ結節が出来ていた」ということ。 ]を知らされて、腎摘出に同意しました。肉眼的にはリンパ腫の所見はありませんでしたが、顕微鏡で摘出腎を見るとリンパ腫の浸潤を認めました。この人も、CHOP(リンパ腫に対する化学療法)を受け、移植手術を受けて160日後も生存中です。

続きは後日。
腎臓のレシピエント1の摘出腎です。Harbell JW et.al.より引用。肉眼で明らかに結節が認められます。
肝臓のレシピエント:52歳男性。原疾患はB型肝硬変・肝癌。術後1ヵ月目の精査の腹部MRIで移植肝にリンパ腫の所見を認めました。CHOP(化学療法)を行って、一旦は退院できましたが、発熱・下痢(偽膜性腸炎)、胸水、無気肺、皮疹が出現。胸水から細胞診にてリンパ腫の浸潤の所見がありました。肝内病変も進行。神経系にも浸潤。抗癌剤の種類を変えてみるも効果なく、術後116日目に死亡しました。[ 肝臓は、腎臓と違って、「しまった。リンパ腫だった。取り出しちゃえ」というわけにいかないので大変です。 ]

膵臓のレシピエント:36歳女性。原疾患は1型糖尿病+糖尿病性腎症。今回の移植の3ヶ月前に生体腎移植を受けています。膵臓移植後、インスリン依存状態からは離脱できましたが、術後6日目に膵炎を起こしています。10日目に退院できましたが、膵炎が再発して、20日目に再入院しました。膵生検を受け急性拒絶反応と診断され、拒絶反応に対する治療を開始されましたが改善せず、34日目に手術室にて洗浄・培養・再生検を受けています[ 再開腹されたのだろうと思います ]。40日目に膵摘出手術を受け、嚢胞様の腫瘍からの生検でリンパ腫を認めました。化学療法を受け、膵摘出後22日目(膵移植後62日目)に退院し、外来で化学療法を続行されています。[ 論文では「長期予後は不明」とありましたが、別の報道では、膵臓のレシピエントは死亡しています ]

ここからはすべて私見です。

一般的にドナーの癌がレシピエントに移入することは稀とされています。Kauffman et.al.(2007)によれば、0.012%のこと。でもこれは、移植しても大丈夫と判断されたドナーから移植ですので、病腎移植とは同列に置けません。一方で、今回のような症例もあります。Buell et.al.(2005)によれば、中枢神経原発腫瘍と誤診された転移性腫瘍のドナーからの移植では、74%に癌が移入されたそうです。日本でも、原発性脳腫瘍の患者さんは心臓死ドナーになれます。他の臓器の癌が脳に転移していたのに、もともとの腫瘍は脳にあったと診断してドナーにしてしまうと、高確率でがんの移入が起こるのです。ただこれも、移植される臓器は部分切除等の処置を受けていませんので、やっぱり病腎移植と同列には置けません。でも、少なくとも、「がんは伝染病ではない。遺伝子病だ。だから、仮にがんそのものを他人に移植しても移植は成功しない」という難波先生の主張が間違っている証左にはなるでしょう。

がんが移入するかしないかは、がんの性質や進行度に左右されます。幸いなことに、小腎細胞癌は部分切除すれば移入の確率は少ないようです(今のところ手に入る情報で判断する限りでは)。他のがんでどうかはやってみないとわかりません。小腎細胞癌に限って、病腎移植を行うという提案には、ドナーの長期予後も調査するという条件付きで、賛成します。一部で伝えられる移植学会の「小腎細胞癌に限っても病腎移植は駄目」という姿勢が事実であれば、私はその姿勢には反対します。しかし、小腎細胞癌で大丈夫だったというのは結果オーライです。結果オーライだったからといって手続きが杜撰だった実験的医療を容認するべきではありません。日本移植学会が小腎細胞癌からの病腎移植に反対する理由の一つに(反対しているのが事実だとして)、実験的医療に批判的な立場を保ちたいことがあるのだろうと思います。移植医療に反対する人たちから、「ほらご覧、傲慢な移植医たちを。身内が実験的医療を行っても、ちょっと批判したふりだけして、早速取り入れている。自浄作用のない連中だ」と批判されないためです。

Kauffman et.al, Deceased donors with a past history of malignancy: an organ procurement and transplantation network/united network for organ sharing update., ransplantation. 2007 Jul 27;84(2):272-4
Buell JF et.al., Central nervous system tumors in donors: misdiagnosis carries a high morbidity and mortality., Transplant Proc. 2005 Mar;37(2):583-4.
>日本移植学会が小腎細胞癌からの病腎移植に反対する理由の一つに(反対しているのが事実だとして)、実験的医療に批判的な立場を保ちたいことがあるのだろうと思います。移植医療に反対する人たちから、「ほらご覧、傲慢な移植医たちを。身内が実験的医療を行っても、ちょっと批判したふりだけして、早速取り入れている。自浄作用のない連中だ」と批判されないためです。


移植学会ももう少し冷静に問題を捉えてもらわないと困りますね。批判的であることも慎重であることも必要ですが、何もかもダメ的なスタンスはいただけないですよね。世界的には病気腎移植を進めよう、少なくとも検討くらいはしようという潮流が出来つつあるわけですし・・。
David L. Nicol(オーストラリアで病腎移植をしているニコル教授)の論文を読んでいるけど、けっこう厳し目のeditorial commentがついています。病腎移植を大々的にやろうというのは難しいかもしれません。
移植医療には倫理の問題が常につきまといます。ちょうど私がインターネットで積極的に活動し始めたの臓器移植法の成立前後の頃で、脳死移植の是非について議論した覚えがあります。日本の厳しい脳死基準をもってしても脳死移植に反対する人が多く、今の「いらない臓器なら移植に使ってもいいんじゃないか」という万波移植に好意的な人たちとのギャップが感じられます。世間の意識の変化があったのか、それともインターネットを行う層が広がったせいか、それは分かりません。あくまで私の印象に過ぎませんが、昔はネットに接続できる層は限られており、それなりにレベルが高かったように思います。
脳死移植反対の人はかなり勉強されていて、理論武装も相当なものでしたが、確かにそういう人たちに比べると、万波医師や病気腎移植を支持される方々は、何も勉強されずに感情論で突っ走っている印象は強いですよね。
病腎移植をテーマとした、日本移植学会による動画あったので、覚え書きを書いときます

*****************************************
テーマ:病腎移植
吉田 克法(日本移植学会 広報委員会 「病腎移植」担当)
http://www.mediobank.com/media_workshop/index10033b.html


まず、事実関係の説明。悪性疾患ドナーからの移植については、「驚くべきことに」という形容詞つき。病腎移植の問題点として、

・腎摘出の医学的妥当性/移植のための腎摘出ではなかったのか
・説明と同意、書面による同意
・レシピエント選択
・倫理委員会

などを挙げている。

「今回の病腎移植における腎摘出の適応基準は専門家の基準と乖離していた」
「提供のみの一部の施設を除き、腎摘出の説明・記録が診療録(カルテ)にほとんど記載されていない」
「献腎移植の際の腎摘出法であり、ドナーに過大なリスクがあった」
「現段階の知見より判断して、病腎移植は医学的な妥当性はない」
「移植医が臨床検討会や倫理委員会にも諮らずレシピエントを選択しており、公明・公正の理念から外れている」
「現在、その治療における十分な治見の蓄積がなされていない病腎移植にもかかわらず、倫理委員会に諮られていなかった」
「宇和島徳洲会病院の病腎移植11例では、生体腎移植と差はないと主張されているが、短期間の評価しかなされていない」
「市立宇和島病院での担癌病腎移植例の生存率は、非担癌病腎移植例に比較して、4年目より著しく低下し、10年後よりさらに低下している」
「市立宇和島病院での病腎移植の5年後の生着率は36.5%、悪性病腎に限ると15.3%、日本における腎移植成績は85.4%」「きわめて悲惨な成績」
「海外の教科書には、悪性疾患/癌はドナーとして不適切との記載がある」
「イギリスやヨーロッパの移植学会のガイドラインでも、脳腫瘍以外の悪性腫瘍のあるドナーからの移植はしないとされている」
「総括:現時点では科学的にも医療倫理上も容認できない」
*****************************************
残念ながら、今のところ日本移植学会が率先して臨床研究をすることは無いようですね。
万波医師は
8月10日から14日まで、オーストラリアのシドニーで開催される
「第22回国際移植学会議」に出席されるそうです。
メインテーマのひとつに病気腎移植が討議されるようなのですが、日本移植学会からもどなたか出席されるのでしょうか。
鈴稲さん
>残念ながら、今のところ日本移植学会が率先して臨床研究をすることは無いようですね。

この点についてはまったくもって日本移植学会も肝っ玉の小さな人たちが揃っているなという感じですね。
ただ、彼らにしてみれば、今病気腎をやってしまうと万波医師の行為を認めるようなところがあってそれが嫌なのでしょうけども。
純粋に医学的な見地から見れば、どこまで問題なく病腎移植が安全に行なえるのかは興味がありますが、マクロな視点から見れば死体腎移植を増やすほうが効率的だと思います。死体腎移植が既に多くなされていてこれ以上増やすことが難しいというのならともかく。
しかしなとろむさん、死体腎や脳死は施行からもう何年も経過しているのに、数はほとんど増えていません。いろいろな背景があるにせよ、これらが今後日本で移植の需要をある程度でも満たすことを望むのは難しいと思います。このような現状で、そちらを増やすほうが効率的といわれても、患者さんは納得しないのではないのでしょうか?

私は死体腎や脳死は日本人の文化的な背景から、欧米のように数を増やすのはかなり困難だと考えています。その点からは、病気腎のように本当に不必要なものがリサイクルされるのであれば、そちらのほうが普及する可能性が高いと思います。もっともこちらも、本当に摘出が必要であるという定義が曖昧ですし、実際にきちんと精査した場合に移植に使えるような腎臓がそれほどの数でてきるのか?という疑問はついてまわります。さらにいえば、前もって移植に使ってもいいか?というようなことだと、不必要ではないのに摘出されるという疑念をもって、たとえ本当に摘出が必要な腎臓であっても提供を拒む患者さんもかなりの数出てきそうです。
かっちゃんさん。

>たとえ本当に摘出が必要な腎臓であっても提供を拒む患者さんもかなりの数出てきそうです。

まだ病気腎移植が行われていた時、香川県の労災病院で、そういう例が一件あったようです。
それと、万波弟医師が、摘出した病気腎を宇和島まで運んだけれど、兄(誠)医師が「これは使えない」と移植しなかったことが一件。
結局この二件の摘出病気腎は破棄されたようです。

私は、病気腎移植の一日も早い再開を望んでいますが、再開されたからといって劇的に移植者が増えることは無いと思っています。がく〜(落胆した顔)
「年間2000人が救われる」という声もありますが。

かっちゃんさんがおっしゃる通りで、そんなに簡単にドナー不足は解消出来ないと思いますね。
もちろん、いまさら死体移植を増やそうったって困難だって意見は分からないでもありませんが、だったら病腎移植なら期待が持てるのかと言えば全然持てません。文化的な背景を言うのなら、日本には移植医療に対する根強い不信感があります。病腎移植に関しては、今は少数の万波支持者と少数の批判者もしくはウォッチャーがいるだけですが、大規模にやりましょうとなると、必ず反対者が出ます。「万波移植には問題はあったけど、それはそれとして、病腎移植は期待が持てる」とかいう立場ではなく、「医師にまかせると必要のない臓器を取ってしまう。そもそも移植医療からしてダメだ」という立場の。

脳死移植が導入されたときの議論を覚えている方はご理解できるでしょうが、過剰な医療不信をクリアするために異様にハードルが高くなってしまいました。医療不信にはそれなりの理由があり、医療者によって解決しなければならないところに、万波移植です。なあなあにしていたら、必ず後に問題になりますよ。
すみません。
かっちゃんさんへのコメントの
病気腎移植が再開されたからといって劇的に移植者が増えるとは思いません。というのは、
今現在の、イメージが悪いままの病気腎移植を再開しても、という意味です。問題点をクリアーにし、国民の合意が得られれば、劇的に・・・とはいかなくても今よりは確実に数は増えると思います。
文章下手です。すみません。バッド(下向き矢印)


臓器移植患者団体連絡会と日本移植学会は十月上旬までに法改正の進展が無ければ、国会議員を訴えるという声明を出していますが
病気腎移植推進を求める患者団体も、こちらは日本移植学会幹部と厚労省を訴える準備を進めているそうです。

どちらも、移植が出来ず、苦しい毎日を耐えておられる患者さん達が原告です。

訴訟を起こす事がいいのか悪いのかはわかりませんが、患者さん達は十年間も放ったらかされてきました。
我慢の限界の表れなのだと思います。
訴訟ですか?
それはちょっといただけないなあ。移植が進まないのは、それなりに理由があるからであって、それを無理やりにというのはちょっと強引というか、わがままな感じがします。
特に病気腎移植のほうは技術的に確立されているとはとてもいえず、問題になってからの期間も短いのに、何をもって訴えるのでしょうか?患者さんの気持ちはわからなくもないけれど、ちょっと感情的にすぎるように思いますね。
うーん、裁判をしても、どちらもあまり勝ち目がなくて、むしろその間は移植を停滞させてしまう気がするのですが・・。
国民の理解を得ないまま法改正をしても、ドナーが増えるどころか反対に反感を買いそうですね。
病気腎移植推進訴訟も、再開までの道のりは長いものになると思います。

でも、“日本は死体からの臓器提供が少ない”という現状を何とかしなければ
海外での移植(不法なものも含む)は無くならないでしょうし、国内で、第2、第3の臓器売買事件が起こらないとも限りません。

臓器移植に対する不信感を払拭するためにはまず何をするべきなのでしょうか・・・?
>臓器移植に対する不信感を払拭するためにはまず何をするべきなのでしょうか・・・?


できることは1つだけではありませんか?ドナーに不利益にならないことです。私が万波医師に対して批判的である理由はまさにそこなのです。ネフローゼにしろその他の疾患にしろ、いろいろな議論はあるにせよ、その腎臓摘出そのものが不必要だったのではないか?という疑惑をまねくようなことをすれば、たとえ事実がどうあれ、臓器移植に対する不信感が増すのは当然ではないでしょうか?
1つだけといいましたが、最近はレシピエントがあまりに主張しすぎているという思いもあります。彼らの気持ちもわからなくはありませんが、臓器移植は基本的にドナーが優先されるべきものであると思います。ところが、日本ではずっとレシピエントの美談ばかりで、ドナーが尊重されるような風潮はありません。

彼らが助かるのは事実ですが、その影で何の利益もなく無償で、しかも自分の人生の最期に臓器を提供している人たちがいるのです。それを臓器提供が少ないからと、自分達の都合の良いように法律を改正する、ましてや自分達の思うようにならないからと訴訟を起こすなどというのは、少なくとも私はまったく支持できません。
私は万波医師を応援していますが、病気腎移植を隠すつもりはなかったが学会で(広く世間に)発表するつもりもなかった。という考えでやってきた事。だからという訳ではないでしょうけど、倫理委員会も通さず、ICの文書も取らず、カルテやその他の記録を残していなかった事は批判されても仕方がないと思っています。他人の臓器を必要とする移植医療なのですからもっと慎重にやるべきでした。診療の記録等しっかり残しておいてほしかった・・・。
そして、日本移植学会ですが、問題発覚後、大挙して宇和島に乗り込みながらカルテだけを見て直接患者から話しも聞かず、考えられない医療、妥当性が無い、と早々に禁止してしまった事も大いに問題有りだと思います。期待が持てるなどと臨床研究の道は残すとしながら、実際には絶対許さないという状況を作ってしまっています。
今からでも、もう一度一つ一つの症例を検証して欲しいものです。
万波医師らと移植学会幹部は未だ一度も顔を合わせて議論していませんよね。
事実を有りのままに、公表して欲しいです。そうでなければ、患者さん達や世間の‘期待’と‘疑問’(不信感)は深まるばかりです。
お金の使いみちが不明だとして、○○ちゃん募金がバッシングを受けました。
とうとう・・・という感じです。かなり昔あせあせの新聞の投書欄に、患者家族達の現地での呆れた言動が載っていたのを覚えています。

マスコミの移植医療の取り上げ方も、同じような物ばかりですね。
移植を希望する患者の苦しみばかりを前に出していて、ドナーの気持ちはほとんど置き去りにしているように感じます。
美談に仕立て上げられたものばかり見せていても国内での死体からの移植は増えないと思うのですが・・・。
病腎移植のドナー源として、小径腎細胞癌が有望視されていますが、移植に使うためには、片腎全摘出を行わなければなりません。しかし、部分切除という選択肢もあります。これまでは、全摘出も部分摘出もそれほど予後は変わらないとされてきました。そのため、十分なインフォームドコンセントを行ったうえで全摘出を行い、別途、移植に使うという承諾も得られれば修復した上で移植に使うことは容認できます。しかし、近年、部分摘出のほうが全摘出よりも予後が良い、というデータが出始めました。今回、多くの症例で全摘出例と部分摘出例を比較した論文、

Radical versus partial nephrectomy Effect on overall and noncancer mortality
Laurent Zini, MD et.al. , Early View (Articles online in advance of print) Published Online: 4 Feb 2009, Cancer

を、ざっとですが読んでみましたので紹介します。

データベースから、年齢、手術が行われた年、腫瘍の大きさをマッチさせて部分摘出と全摘出と比較した。5年生存率は部分切除で89.3%、全摘出で84.4%。10年生存率は部分切除で71.3% 、全摘出で68.2%。有意差はもちろんあり(P = .001) 。

非癌関連死亡(Non-cancer related mortality)と、癌関連死亡(Renal cell carcinoma-specific mortality)で分けた解析もなされています。非癌関連死亡は5年後は部分切除で12.4%、全摘出で15.6%。10年後は部分切除で27.1% 、全摘出で30.6%(数字は癌関連死亡率で調整後)。有意差はもちろんあり(P = .001) 。癌関連死亡については、有意差についての記述はありませんでした。多分、有意差なしなのだろうと思います。結論として、著者らは

>Relative to PN, RN predisposes to an increase in overall mortality and non-cancer-related death rate in patients with T1a RCC. In consequence, PN should be attempted whenever technically feasible. Selective referrals should be considered if PN expertise is unavailable.
>(部分切除と比較して、全摘出は初期腎癌患者において総死亡および非癌関連死亡の増加の素因となる。結果として、技術的に可能ならば、部分切除が試みられなければならない。部分切除の専門家がいなければ、紹介も考慮されるべきだ)

と書いています。


アブストラクトを引用しておきます。

BACKGROUND:
Relative to radical nephrectomy (RN), partial nephrectomy (PN) performed for renal cell carcinoma (RCC) may protect from non-cancer-related deaths. The authors tested this hypothesis in a cohort of PN and RN patients.

METHODS:
The Surveillance, Epidemiology, and End Results-9 database allowed identification of 2198 PN (22.4%) and 7611 RN (77.6%) patients treated for T1aN0M0 RCC between 1988 and 2004. Analyses matched for age, year of surgery, tumor size, and Fuhrman grade addressed the effect of nephrectomy type (RN vs PN) on overall mortality (Cox regression models) and on non-cancer-related mortality (competing-risks regression models).

RESULTS:
Relative to PN, RN was associated with 1.23-fold (P = .001) increased overall mortality rate, which translated into a 4.9% and 3.1% absolute increase in mortality at 5 and 10 years after surgery, respectively. Similarly, non-cancer-related death rate was significantly higher after RN in competing-risks regression models (P < .001), which translated into a 4.6% and 4.5% absolute increase in non-cancer-related mortality at 5 and 10 years after surgery, respectively.

CONCLUSIONS:
Relative to PN, RN predisposes to an increase in overall mortality and non-cancer-related death rate in patients with T1a RCC. In consequence, PN should be attempted whenever technically feasible. Selective referrals should be considered if PN expertise is unavailable Cancer.
2009. © 2009 American Cancer Society.
なとろむさん

病気腎移植推進派は病気腎移植の利点を持ち出すときに、通常の腎移植の利点を持ち出してきますが、ああいうのはどうなんでしょう?
病気腎移植がどれほど有益であるかは、いまだ未知の領域だと思うのですが?
ご指摘の通り、病気腎移植がどれほど有益であるかは未知であり、だからこそ臨床研究が必要なわけです。ただし、病気腎移植であっても通常の腎移植に準じた治療成績であろうと予測することは合理的です。実際にはやってみないとわかりません。今のところは、万波側が出した資料でも、死体腎移植よりやや劣ると言ったところです。

修復腎移植訴訟 訴状・要約(1) (移植への理解を求める会)
http://reportirm.exblog.jp/9172373/

より、生存率曲線を示しています。レシピエントの条件が一致していませんので、レストア腎群では実際よりもやや悪い成績になっている可能性があります。70歳以上の症例に限ると、死体腎(n=54)よりレストア腎(n=18)のほうが成績がいいですが、nが少なくて評価はさらに困難です。

「担癌腎を利用したレストア腎移植例について再発・転移例は1例も記録されていない」と主張する人もいますが、誤りです。ニコル教授、万波症例、いずれについても再発例はあります。再発・転移例が意外と少ないというのは事実です。
忘備録も兼ねて、徳洲会が、学会での発言に対して、損害賠償を求めて提訴したニュースについて触れます。


***************************************
徳洲新聞2009年(平成21年)3/16 月曜日 NO.663


医療法人徳洲会および医療法人沖縄徳洲会は2月27日、第42回日本臨床腎移植学会で伊藤慎一医師(岐阜大学医学部附属病院泌尿器科)が行った発言に対し、1100万円の損害賠償を求め千葉地方裁判所に提訴した。

この事件は、1月30日に千葉県浦安市で開催されていた同学会で、呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜医師が自院の修復腎移植症例について発表している席上、伊藤医師が発表内容に関係のない徳洲会での移植医療に触れ、「未成年の方から移植」、「ドナー(臓器提供者)さんに関しても、知らずに臓器を取られて、それがどなたかに植えられたということに関してショックを受けられた患者さんがいる」などと事実に反した発言を行ったもの。

現在、徳洲会グループでは修復腎移植の臨床研究の準備を進め、患者さん救済の可能性を追求している。

それだけに、こうした不当な発言は、徳洲会グループだけでなく、患者さんにとっても大きな損失となり、看過することはできないと判断して今回は提訴に踏み切った。
***************************************
http://www.tokushukai.jp/media/rt/663.html
http://search.pise-housing.com/cgi-bin/display.cgi?663%B9%E63%CC%CC003.txt


徳洲会が裁判で勝つ気があるかどうかはわかりません。よしんば徳洲会の言い分がすべて正しいとして、1100万円の損害賠償が認められるとは思えません。私見ですが、裁判での勝敗とは別に、学会で徳洲会に不利な発言を抑制する目的があるのではないか、と考えます。徳洲会は組織として弁護士を雇えばいいのに対し、被告側は個人です。学会で徳洲会を批判すると、裁判などのやっかいごとに巻き込まれるとなると、どうしても発言が抑制的になります。最終的な裁判の勝ち負けは無関係です。徳洲会は情報発信の場を持っているのですから、学会などで事実無根の発言をなされたとしても、まずは言論をもって対抗するというのが筋でしょう。安易に法的な手段に訴えるのは学会での自由な発言を妨害することになります。「環境ホルモン濫訴事件」に似ています。これは、学会ではなく、ネット上での発言に対してでしたが。

さらに言うならば、「未成年の方から移植」はともかくとして、「ドナー(臓器提供者)さんに関しても、知らずに臓器を取られて、それがどなたかに植えられたということに関してショックを受けられた患者さんがいる」というのは事実無根とは言えません。『摘出患者に「第三者への移植」が説明されていなかった』例があることは、ほかならぬ宇和島徳洲会病院が公表したと、愛媛新聞は伝えています。また、「[厚労省]調査班による聞き取りで、摘出した腎臓を医学研究に使うと患者は思っていたのに移植に使われたことなどで精神的ショックで入院したり、患者本人は承諾したが、承諾していない家族が怒っているケースがあった」と毎日新聞平成19年3月27日付朝刊で報道されています。むろん、徳洲会は厚労省調査班の調査は誤りだと主張するのでしょうが、私の知る限りはきわめて不十分な反論しかなされていません。よしんば徳洲会の主張が正しいとして、、まず訴えるべきなのは、愛媛新聞であり、毎日新聞であり、厚生労働省であるはずです。それをせずに個人を訴えるということこそ、裁判の勝ち負けではなく、学会での自由な発言を抑制するのが目的であることを示唆しています。


2患者に病名知らせず 徳洲会病院調査結果 「説明同意は十分」 病気腎移植(愛媛新聞)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/zokibaibai/ren101200611277533.html

毎日新聞のニュースを引用していたブログ(病気腎移植問題に関する厚生労働省調査班(班長、相川厚・東邦大教授)は26日、岡山、広島両県内の5病 ... )
http://blog.livedoor.jp/tk152em1/archives/50114114.html
これはなんというかもう徳洲会というのは本当にくさってるんですね、としか言いないんですが・・。都合の悪いやつは訴訟でだまらせておけって、あまりに強引な、これはいくらなんでもないんじゃないですかね?

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